更新日 2月18日

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猫の慢性腎不全ってどんな症状が出るんだろう…

どうすれば気づけるんだろう…

今は年齢的に心配ないけど、慢性腎不全について知っておきたい!と考える飼い主さんも多いと思います。

失われてしまった腎機能は元に戻らないと聞きますし、もし失われてしまっているなら早く気づいてあげたいですよね。

そこで今回は、慢性腎不全の症状や治療法、日頃からのチェック方法を紹介したいと思います。

慢性腎不全は猫ちゃんの水分摂取量や尿量に注目することが大切です。

これを読んで、慢性腎不全に対する不安を少しでも少なくしてくださいね。

猫の慢性腎不全とは何?

慢性腎不全とは、血液中の老廃物をろ過し、尿として排出しているネフロンという組織が破壊され、腎機能が低下していく病気です。腎臓の機能が50%以下になった状態を指しています。

腎臓の組織はいったん壊れると元に戻ることはありません。

放っておくとどんどん症状が進み、老廃物が排出できなくなり、死に至ることもあります。

猫は慢性腎不全になりやすい

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猫ちゃんの慢性腎不全は、生まれつきの先天性腎疾患、尿路結石症やウイルスなどが原因で起こることがありますが、多いのは加齢による腎機能の低下です。

そのため、猫ちゃんの死因の上位となっていて、15歳以上の3頭に1頭は慢性腎不全になっているそうです。

それには猫ちゃんの暮らしてきた環境に理由があると言われています。

猫ちゃんの祖先は、砂漠で暮らしていたため、尿によって水分が失われてしまうことは一大事でした。

なので、腎臓にエネルギーを使って、体内の水分をできるだけ排出しないようにしていたのです。

機能が良いぶん、たくさんのエネルギーを使うので、年齢を重ねれば重ねるほど腎臓に負担がかかってしまうというわけです。

長生き猫ちゃんの宿命とも言えますね。

慢性腎不全に気づきにくい理由

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猫ちゃんの慢性腎不全は気づいた時には、腎機能の70%以上が失われていると言われています。

理由は、腎機能の70%以上が失われてはじめて症状があらわれてくるからです。

腎機能が少し失われてしまった段階では、他の腎臓がカバーできてしまうため、血液検査で異常が出ることは少ないそうです。

腎機能が30%以下になると他の腎臓がカバーできなくなり、症状が現れはじめるのです。

また、慢性腎不全はゆっくり進行していくため、ご飯をあまり食べなくなった、体重が減ってきたなどの症状が、徐々に現れていきます。

年をとったからかなと思われがちな症状ばかりなので、発見が遅れてしまうのです。

老化のせいと甘く見ず、猫ちゃんのサインに気づいてあげてくださいね。

初期症状は多飲・多尿

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猫ちゃんの慢性腎不全はIRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)の分類によると、血中クレアチニン濃度※をもとにステージ1からステージ4に分けられています。

ステージ1~2が初期、ステージ3が中期、ステージ4が末期と呼ばれることもあります。

  • ステージ1
    血中クレアチニン濃度が1.6mg/dlより低く、腎機能が33~100%の状態です。
    この段階では症状が現れないことが多く、発見するのがとても難しいです。
  • ステージ2
    血中クレアチニン濃度が1.6~2.8mg/dl、腎機能が25~33%の状態です。
    この段階では、猫ちゃんが水をたくさん飲んだり、尿の量や回数が多くなったりします。脱水症状が現れることもあります。
  • ステージ3
    血中クレアチニン濃度が2.9~5mg/dl、腎機能が10~25%の状態です。
    この段階では、ステージ2の症状に加え、便秘や下痢、嘔吐、食欲不振、体重減少、貧血、高血圧などの症状が見られます。
  • ステージ4
    血中クレアチニン濃度が5mg/dlより高く、腎機能が10%よりない状態です。
    この段階では、ぐったりしていることが多く、口から食事をすることができなくなってきます。痙攣を起こしたり、意識障害になったりすることもあります。
    ※血中クレアチニン濃度とは
    クレアチニンとは老廃物の一種で、尿以外では体の外に排出されません。血中のクレアチニン濃度が高い場合は、腎臓機能の75%以上が失われているそうです。

    一度失ってしまった腎機能は元に戻らないため、ステージ2の「多飲・多尿」の症状に気づくことがとても大切です。

    早めに治療を開始して猫ちゃんの体への負担を減らしましょう。

    猫の慢性腎不全の治療方法

    猫ちゃんの慢性腎不全の治療の方向性は、主に2つに分けられます。

    • 腎臓の機能をこれ以上悪化させないように、腎臓の負担を減らすこと
    • 現在現れている症状をケアして、猫ちゃんを少しでも暮らしやすくすること

    中でもステージ2、3では「腎臓に負担をかけない」ことが重要になってきます。

    そこで、腎臓への負担を軽くする治療方法を紹介していこうと思います。

    フードを腎臓病用の療法食に変える

    猫 ドライフード

    慢性腎不全の治療で食事療法は最も重要です。

    毎日の食事が腎臓に負担をかけている場合もあるからです。

    ステージ2、3の猫ちゃんは、療法食に変えると通常のフードを与えた場合と比べて2倍以上寿命が伸びたという報告もあるようです。

    腎臓病用の療法食は、タンパク質やリン、ナトリウムなどが制限されているのが特徴です。

    タンパク質は分解されると尿素が作られるので、尿素を排出するために腎臓をたくさん使います。

    そのため、タンパク質を抑えた食事で腎臓の負担を減らしていくのです。

    また、慢性腎不全の症状が進んでいくと高血圧を引き起こす場合があるので、リンやナトリウムなども制限していきます。

    食事以外の治療方法

    byouin

    食事以外の治療は、猫ちゃんの症状によって様々です。ここでは主なものをあげてみますね。

    • 活性炭製剤

    猫ちゃんの腎機能を助けるために、体内の老廃物を吸い取って排出してくれる活性炭製剤を使うこともあります。具体的にはコバルジン、ネフガードなどです。

    • 点滴

    尿の量が多くなって、体の水分が失われてしまうと脱水症状になることもあります。

    脱水症状を改善するために、直接血管に行う静脈点滴や皮膚の筋肉の間に行う皮下点滴を行います。

    • 慢性腎不全の進行を抑える薬

    腎臓への酸素の量を多くするために血流を回復させたり、腎臓の炎症を促す成分を抑えてくれたりする薬もあります。

    症状の悪化を防ぐ効果が期待できます。

     

    猫ちゃんの慢性腎不全は、腎機能をこれ以上低下させない、現れた症状を軽くする治療です。

    早めに気づいて、早く対処すればするほど長生きできる可能性が広がるので、猫ちゃんのサインを見逃さないようにしましょう。

    慢性腎不全を早期発見!愛猫の水の摂取量と尿をチェックしよう

    慢性腎不全はステージ1ではほとんど症状が現れません。

    なので、ステージ2で現れる主な症状の「多飲・多尿」に早く気づいてあげることが、早期治療に繋がります。

    でも何をどう確認したら良いのかわからないですよね。

    そこで猫ちゃんが水をたくさん飲んでいるか、たくさんおしっこをしているのか確認するために、水分摂取量と尿のチェック方法を紹介したいと思います。

    水分摂取量チェック方法

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    腎機能が低下すると体内からたくさんの水分が尿となって出ていくため、水分摂取量が必然と多くなっていきます。

    まずは、猫ちゃんが1日あたりどれくらいの水分摂取量を必要としているのかを確認しましょう。

    1日の水分摂取量

    猫ちゃんは1kgで1日あたり約50ml程度の水分が必要だと言われています。

    体重が4kgの猫ちゃんであれば、フードからの水分※も含めて1日約200mlが適量です。

    もし1日の水分摂取量を超えているのであれば、たくさん水を飲んでいるということになります。

    水飲み器の水分摂取量チェック方法

    水飲み器からの摂取量をチェックするには、体重別の摂取量より少し多めに入れて、1日朝と夜の2回水の量をチェックしましょう。

    計量カップではかったり、目盛り付きの水飲み器を利用したりすると良いですよ。

    また、猫ちゃんの水分摂取量は微量なので、水分蒸発量もはかる必要があります。

    別の容器に同じ量の水を入れて、水切りボウルのような網をかけておくと蒸発した水分量を知ることができますよ。

    2~3日以上多飲が続くようであれば、お医者さんに相談しましょう。

    ※フードからの水分摂取量の計算方法
    • ドライフードであれば、1日に与えているフードのグラム数×0.1
    • ウェットフードであれば、1日に与えているフードのグラム数×0.75

    尿チェック方法

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    腎機能が失われていくと尿を濃縮できなくなるので、薄い尿がたくさん出てきます。

    おしっこの色が薄く透明っぽくなった、においが弱くなったということが続く場合は慢性腎不全になっている可能性があります。

    1日あたりのおしっこの量

    猫ちゃんの1日あたりのおしっこの量の目安は1kgあたり20~30mlです。

    目安の1.5倍から2倍以上の量であれば、たくさん尿がでているということになります。

    おしっこの量チェック方法

    猫砂を使っている場合は、尿をする前の猫砂の重さと尿をした後の猫砂の重さをはかってみましょう。

    毎回はかるのが大変だという場合は、猫砂のかたまりの大きさを確認してみてください。

    一概には言えませんが、50mlで約7cmが目安です。

    他にも、おしっこの回数にも注目しましょう。

    おしっこの標準回数は、1~3回です。おしっこを5回以上している場合は、尿がたくさん出ている場合がありますので、要注意です。

    色や回数、量に注目しておかしいなと感じたら病院へ連れていきましょう。

    いつもと違う様子に気づいてあげよう

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    ここまでの内容をまとめると

    • 猫ちゃんの慢性腎不全は腎機能が70%失われるまで気づきにくい
    • 初期症状は多飲・多尿なので、水分摂取量と尿量をはかることが大切
    • 慢性腎不全にはタンパク質・ナトリウム・リンなどの制限された食事が良い

    となります。

    一度失ってしまった腎機能は戻らないですし、どんどん進行していく病気なので、飼い主さんがいつもと違う様子に気づいてあげることが大切です。

    健康であっても年に1回は検診に連れて行ってあげてくださいね。

    また、日頃からタンパク質やナトリウムなどのバランスが取れたフードや添加物の入っていないご飯をあげて、できるだけ腎臓に負担をかけないようにすると良いですよ。

    慢性腎不全の予防が期待できるキャットフードについては、こちらを参考にしてみてくださいね。

    猫ちゃんと少しでも長く楽しい生活が送れることを願っています。

     

     

     

     

     

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