更新日:2019年2月25日
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猫も人間と同じように目やにがでます。
ただ、量が多かったり頻繁に出たりすると「何が問題があるのかな?」と不安になってしまうもの。
話すことができない猫のためにも、飼い主さんが早めに原因を知り、対処してあげることが大切です。
病気が隠れていることもあるので、なぜ目やにが出ているのかしっかり把握しましょう。
今回は、猫の目やにの原因とその対処法などについて詳しくまとめてみました!
最後まで読んでいただければ、正しく対処できるようになりますよ。
猫の目やにが出る原因は様々
まず最初に、なぜ目やにが出るのかその原因についてお伝えします。
新陳代謝によるもの
そもそも、目やには新陳代謝による老廃物が体外に出たものです。
目に入ったほこりやごみ、古くなった細胞などが涙(粘液)に混ざることで老廃物となり、目の周辺に出てきます。
起きている間は鼻腔から口へと自然に流れていきますが、寝ている間は流れずに目元に溜まるため、朝起きた時に目やにが出来ているのです。
寝起きに茶褐色の目やにが溜まっているくらいなら、心配しなくても大丈夫です!
目が傷ついている

猫は目が傷ついている場合にも目やにが出ます。
多頭飼いしている場合や猫が外で遊ぶこともあるという場合、他の猫とけんかして目が傷ついている可能性があります。
涙がずっと出ている、目を開けづらそうにしているなどの状態が見られたら、動物病院で診てもらいましょう。
栄養不足
本来肉食である猫にとって、タンパク質はとても大切です。
穀物や添加物、植物油脂の入ったキャットフードやおやつを与えていると、必要な栄養を十分に補えず栄養不足になってしまうことがあります。
タンパク質やミネラル、ビタミンなど猫の体作りに欠かせない栄養をきちんと摂れるように、キャットフード選びは慎重に行いましょう!
キャットフードのおすすめを紹介した記事もあるので、参考にしてください。
[getpost id=”947″]肝機能の低下
栄養不足になると、肝臓に負担がかかります。
また、東洋医学ではキャットフードやおやつの与えすぎも肝機能が弱る原因だと言われています。
これは私たち人間も同じですね。
ころっとしたフォルムは可愛いのですが、猫の肝臓に負担がかかることを考えると、食事の量を調整する・運動量を増やすなどの工夫が必要です。
病気

目やにの原因で特に気を付けたいのが病気によるものです。
感染症や猫種特有の病気などによって、目やにが出ていることもあります。
目やにの状態を確認し、異常があれば動物病院に連れて行きましょう。
健康な状態との違いを判断するポイントを次の項目から紹介します!
病気かどうかを判断するポイント

目やにの原因がただの新陳代謝なのか病気なのかを判断するには、量や色などをチェックするのがポイントです。
1つずつポイントを解説するので、愛猫に当てはまるものがあるか確認してくださいね。
目やに・涙の量
目やに・涙の量はどの程度でしょうか。
さらさらと透明の涙が出ているなら、アレルギーや花粉症、ハウスダストによる目やにの可能性が高いです。
また、涙が止まらないほど出ているなら白内障、角膜炎、流涙症、角膜が傷ついていると考えられます。
動物病院で診てもらい、アレルギー検査も念のためしておくと安心です。
目やにの色
目やにの色も重要な判断ポイントです。
赤~赤褐色 | 正常な目やに |
黄~緑、白色 | 細菌感染、猫風邪 |
透明 | 花粉症やアレルギー、外傷 |
細菌感染の場合、涙に膿が混ざるようになります。
そのため、花粉症などのさらさらな目やに・涙とは違って、粘り気があるのが特徴です。
目やにが出ているのが片目or両目

目やには目が傷ついている可能性もある、とお伝えしましたが、両目とも傷つくのはあまり考えられません。
ですので、片目から目やにが出ている場合は怪我などによる外傷だと考えていいでしょう。
もし両目から出ているようであれば、細菌感染やウイルス感染が疑われます。
目やに以外の症状
目やに以外に、目に気になる症状がないか確認してください。
-
- 痛がって目を閉じる
- 白目が充血している
- 目の透明な部分が濁っている
- 瞳孔の大きさが左右で異なる
- 目が赤く腫れあがっている
これらの異常が見られる場合は、早めに動物病院を受診してくださいね。
目やにが出たら疑うべき猫の病気
目やにから考えられる病気はいくつかあるのですが、今回はその中でも代表的なものを紹介していきます。
猫風邪

人間の風邪とは違い、いくつかのウイルスや細菌によって風邪症状が引き起っているのを「猫風邪」と言います。
目やに以外には発熱やくしゃみ、鼻水、咳などの症状も出ます。
子猫やシニア猫の場合、猫風邪から肺炎になって最悪死んでしまうこともあるため、ただの風邪だと侮らないようにしましょう。
子猫のうちからワクチン接種することで防ぐこともできるので、獣医と相談の上、ワクチン接種するか判断してくださいね。
結膜炎・角膜炎

瞼裏の粘膜である「結膜」に炎症が起きるものを結膜炎と言います。
爪などによるひっかき傷やウイルス、異物の刺激によって炎症が起きます。
目やにはもちろん、涙が多く出る、充血するなどの症状が見られ、違和感や痒みから目を掻いてしまうことも。
掻くことによって症状が悪化するため、エリザベスカラーで目を保護してあげましょう。
また、結膜炎が悪化すると、「角膜」が炎症を起こす角膜炎になることもあります。
結膜炎同様、ひっかき傷や遺物の刺激などによって起こる炎症です。
目をこする、目を痛がる、目が開かない(瞼がくっつく)、眩しがるなどの症状が見られます。
アレルギー

花粉症やハウスダストによるアレルギー反応で目やにが出ることもあります。
サラサラの涙が出たり、正常な状態と同じ茶褐色の目やにが出るのが特徴です。
しかし、目やにをとってもすぐにまた出る、起きている間も目やにが出ているといった様子が見られる場合は、アレルギーを疑った方がいいですね。
血液検査によってアレルギーの原因を見つけることができるので、動物病院で検査しましょう。
また、普段からアレルゲンを推測し除去してあげることも大切です。
流涙症(りゅうるいしょう)

健康な状態なら涙が溢れることはありませんが、流涙症は涙がたくさん流れ溢れてしまう状態です。
特にペルシャ猫やエキゾチックショートヘアなどの鼻ぺちゃな種類の猫に多く見られます。
それは潰れた顔によって涙が流れるのを妨げてしまうためです。
放っておくと涙やけができ、症状が悪化すると涙だけでなくベタベタの目やにまで出るようになります。
また、涙嚢炎という病気になることもあるので、日頃から異常がないか確認してあげましょう。
ブドウ膜炎

目の虹彩や毛様体などに炎症が起き、目やに・涙の増量、結膜炎の症状などが見られる病気です。
また、角膜の裏側が濁って見えることもあります。
原因は2パターンあり、トキソプラズマ症や猫伝染性腹膜炎などの病気が原因によるもの、外傷(ひっかき傷など)が原因となるもののどちらかです。
猫伝染性腹膜炎が原因の場合、重症化することが多いため、放置せずに早めに治療を受けてください。
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

シニア猫や鼻ぺちゃの短頭種に見られる病気です。
瞼の一部が内側に折り返されることで毛が常に眼球を刺激するため、結膜炎や角膜炎になりやすいのが特徴です。
また、光を眩しがったり、目やにや涙の量が増えたりします。
瞼の形態に問題がある場合は、外科手術による治療を必要とすることもあるので、動物病院で相談しましょう。
ドライアイ

ドライアイになるのは人間だけではありません。
通常、目は涙の膜で覆われているのですが、何らかの理由でその膜が無くなるとまばたきするたびに目が傷つき、結膜や角膜が炎症を起こします。
そうすると充血や目やにの増加などの症状が見られ、症状が悪化すると、最悪の場合失明することもあります。
たかがドライアイと油断せず、きちんと治療をしてあげましょう。
猫の目やにを安全に取る方法

目やには時間があると固まって取りにくくなります。
猫の目を傷つけないためにも、目やにがあるのに気づいたら放置せずに取ってあげてくださいね。
安全に目やにを取る方法を知っておくと安心ですよ。
猫の後ろ側 or 横側から取る
猫と真正面から向き合って取ろうとすると嫌がる猫が多く、逃げたり暴れたりすることもあります。
膝の上に猫を乗せて後ろ側から取るか、横向きにしてから取るのがおすすめです。
もしくは、床や膝の上にあおむけに寝かせて、覆いかぶさるようにして取ると大人しくしていることが多いです。
自分で取るのが難しければ、動物病院にお願いしてみましょう。
ガーゼやウェットティッシュでふき取る
乾いたティッシュペーパーやタオルなどで取るのはNGです。
目が傷つく可能性があるので、ぬるま湯で湿らせたガーゼかウェットティッシュを使いましょう。
もし目やにが固まっているようなら、ガーゼやウェットティッシュでふやかしてから取れば大丈夫です。
指にガーゼなどを巻き付け、目頭から目尻に向かってゆっくり撫でるようにふき取ってくださいね。
目薬を使って取る
目薬の点眼治療を行うなら、点眼と同時に目やにを取るのもおすすめです。
点眼後に流れる目薬薬で目やにがふやけるので、それを優しくガーゼなどでふき取ってください。
目薬も猫の背後からさすと大人しくしていることが多いです。
膝の間に座らせて固定したり、タオルで体全体をくるんで動きを制限したりするとやりやすいでしょう。
目やにを取るときの注意点

目やにを取るときには注意しなければいけないことがいくつかあります。
猫の目を傷つけることがないように、よく覚えておいてくださいね!
猫の目はとってもデリケート!
猫に限ったことではありませんが、目はとてもデリケートな部位です。
無理やり目やにを取ろうとしたり、力を入れて取ったりすることで余計に症状を悪化させる恐れもあります。
デリケートであることを忘れずに、優しく丁寧に拭いてあげるのを意識しましょう。
また、毛の色が白っぽい猫の場合、目やにを放置することで涙やけを起こしてしまうことも考えられるので、こまめに拭いてあげてくださいね。
人間用のウェットティッシュ・目薬は使用NG
目やにを取る際、「人間用のウェットティッシュと目薬を使えばいいか」と考える方もいるかもしれません。
しかし、人間用のウェットティッシュにはアルコールが含まれている場合もあり、目やにを取るのには適していません。
アルコール分が傷口や炎症部分に触れると痛みを感じてしまうからです。
また、人間用の目薬はその成分が猫に適しているとは限りません。
素人では判断するのも難しいので、動物病院で適したものを処方してもらいましょう。
リラックスしたタイミングで取る
目やにを取ってあげるなら、猫がリラックスしているタイミングが最適です。
猫が警戒している状態や嫌がっている状態で無理やり取ろうとすると、恐怖心を植え付けてしまいます。
そうすると同じシチュエーションになった際に逃げ出したり、暴れたりするようになるので、決して無理強いはしないこと。
遊んだ後やご飯を食べた後、リラックスして寝転んでいるときなどに取るのがおすすめです。
まとめ

いかがでしたか?
目やにに注目することで、健康なのか病気なのかを判断できることがわかりましたね。
この記事で大切なことをまとめておきます。
- 猫の目やには病気が原因のこともある
- 異常が見られたら放置せず、すぐに動物病院で診てもらう
- 目やにを取るときは無理やりは× 優しくそっとふき取るのが◎
上記のことを覚えていれば、目やにや涙に異常が見られても冷静・確実に対処できますよ!
大切な愛猫に辛い思いをさせないためにも、目やにを見つけたら取ってあげてくださいね。
日頃からコミュニケーションを取りつつ観察・ケアすることで、愛猫の健康を守ることにも繋がり、異常にもすぐ気づくことができるでしょう。
飼い主さんと愛猫のハッピーな生活が続くことを祈っています。