猫は散歩もしなくて良いし、病気にかかることも少ないので楽に飼育できるペットだと評判です。
しかし、尿路結石になってしまうことが多いので注意しましょう。

もし尿路結石になってしまったのだとしたら、療法食や維持食といったキャットフードで尿ケアをしてあげる必要があります。

「もう尿路結石は治療したのに、そのあとも尿ケアが必要なの?」
そう考えているなら注意が必要です。

むしろキャットフードで対策するのは手術よりも簡単で、猫の健康にも良いことです。
猫の尿路結石治療や、健康維持のためにも、尿ケア用のキャットフードについて知りましょう。

キャットフードで尿路結石は治療できるの?

トイレをする猫のフィギュア

尿路結石の治療や予防のためにキャットフードが多く販売されていますが、キャットフードで果たして治療できるのか疑問ですよね。

キャットフードで尿ケアするのは正しいのか、チェックしてみましょう。

ストルバイト結石は食事療法が基本

猫は尿ケアが必要になることが多いですが、同じ条件で暮らしている猫でも尿ケアがまったく必要ない猫もいます。
実は膀胱炎や尿路結石になる原因はよく分かっていないため、予防することは難しく再発することもよくあるのです。

特に尿路結石ができてしまう猫は多いです。
尿が膀胱の中で小さな結晶になることがありますが、尿路で凝縮され肉眼でも見えるくらい大きく石のようになったのが尿路結石です。

尿のpH値は普通酸性とアルカリ性の間を前後しますが、何かの拍子で酸性やアルカリ性どちらか一方に傾き続けてしまうと結石が発生します。
その解決のために食べるものによって尿のpH値をコントロールしようという考え方があるのです。

実際、尿路結石のひとつであるストルバイト結石の治療では食事療法が基本です。
しかし、もうひとつの尿路結石であるシュウ酸カルシウム結石は食事で予防することはできますが、治療することはできません。
そのため治療法は手術のみです。

尿のpH値が偏る原因は分かっていないため、できるだけ考えられる要因は潰しておくことが大事でしょう。
手術を避けるためにも、キャットフードでの尿ケアは正しいといえます。

尿ケアのためのキャットフードはたくさん作られている

特にストルバイト結石になってしまう猫が多くいたため、キャットフードはストルバイト結石用のものが多く作られるようになりました。

ストルバイト対策用のキャットフードはカルシウムやマグネシウム含有量を抑えており、アルカリ性に傾いた尿を酸性にしやすくします。
しかしそのことで逆にシュウ酸カルシウム結石ができてしまう猫が続出したのです。
そのため今はシュウ酸カルシウム結石予防のためのキャットフードも作られています。

各メーカーが、ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石それぞれに対応できるようなキャットフードを生産しています。
どちらか一方を予防するためのキャットフードもあれば、両方対応できるようなフードもあるので食べ物での対策もしやすいです。

尿ケアキャットフードには違いがある

フードを選ぼうとしている猫

ストルバイト結石は治療でキャットフードを利用しますが、実は予防のためのフードとは違いがあるのです。

それぞれの違いを知り、猫に適切なものを選んでいきましょう。

療法食

実際に尿路結石が出てしまった猫の治療短期間使われるキャットフードです。
基本的に獣医師の指導の元与えるものです。

ストルバイト結石の食事療法にはキャットフードが使われますが、ストルバイト用に尿pHを調整するために作られているのです。
しかし、これをそのまま続けていると逆にシュウ酸カルシウム結石ができてしまいます。

治療が済んだら維持食や予防食に切り替えていくことになります。

療法食のキャットフードには下部尿路疾患用の他にも種類があるので、他の記事でまとめます。

維持食

治療後、尿のpHをコントロールする目的で使われます。

一度尿路結石にかかってしまった猫に対して、その病気に合わせて医師が選びます。
維持食なので短期間で尿路結石を溶かすのには向いていないですが、長期的に与えるのには適しているでしょう。

予防食

ストルバイト結石は1~6歳の若い猫に、シュウ酸カルシウム結石は7歳以上の老猫がかかることが多いといわれています。
まだどちらにもかかったことがない猫のために、予防食が作られています。

予防食は療法食や維持食としては利用できません。
その代わり下部尿路疾患に効果のあるといわれているクランベリーやブルーベリーが配合されているキャットフードとなっています。

ただし、各メーカーによって「予防」の基準が違うので、製品コンセプトをよく読んだ方が良いでしょう。
高タンパク質なものが良い、塩分を含み水を飲む量を増やした方が良い、リンやマグネシウムの値を減らした方が良い、などコンセプトが違います。

猫によってはタンパク質量を減らした方が良い猫もいますし、マグネシウムやカルシウムの量が足りないことで骨が弱くなってしまうこともあります。

予防食は維持食と同じく長く与えるものなので、成分表はチェックしておおきましょう。

尿ケアに適したキャットフードをタイプ別に紹介

それぞれタイプが異なるので、タイプ別に尿ケアにおすすめのキャットフードを紹介していきます。

療法食でおすすめのキャットフード

療法食でピックアップしたいのが
「ロイヤルカナン pHコントロール0ドライ」です。

ロイヤルカナンph0

特徴
【対策できる下部尿路疾患】ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石
【調整の内容】ミネラルなどの栄養バランス、マグネシウムの制限
【成分(100gあたり)】タンパク質35.8、脂肪15.5、食物繊維7.0、灰分(ミネラル分)9.7、水分5.7、炭水化物34.0、カルシウム0.9、カリウム1.04、リン0.93、マグネシウム0.05、ナトリウム1.35(一部抜粋)

ミネラル分を調整するのは適切な尿量を維持するためと、ストルバイトが形成されにくくするためです。
ストルバイト結石にも、シュウ酸カルシウム結石にも対応している療法食なので、獣医師からもおすすめされることが多いフードでしょう。

しかし、気になるのがロイヤルカナンのフードには、発がん性が指摘されているBHAという酸化防止剤が含まれていることです。
ペットフード安全法の範囲内ですので、安全は確保されていますが、長期的に与えるのは避けたいと感じる人もいます。

維持食でおすすめのキャットフード

療法食ではありますが、長期的な維持食としても使えるのが
「ヒルズのプリスクリプション・ダイエット™(特別療法食)<猫用>シーディーマルチケア ドライ」です。

ヒルズのプリスクリプション・ダイエットcdマルチケアドライ

特徴
【対策できる下部尿路疾患】ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石形成、特発性膀胱炎
【調整の内容】マグネシウムとカルシウムとリンの含有量調整、低ナトリウム
【成分(100%中)】タンパク質34.1、脂質16.5、粗繊維1.0、炭水化物43.1、カルシウム0.79、カリウム0.66、マグネシウム0.069、ナトリウム0.38(一部抜粋)

ヒルズもロイヤルカナンと同じく療法食を多く生産しているメーカーです。
長期的な給餌に適していると記載されているので、安心感があります。

酸化防止剤は人工添加物ではなくビタミンEを配合した成分であるミックストコフェロールと、天然成分のローズマリーエキスを使っているので安心して長い間与えられるでしょう。

炭水化物の配合量が多いためアレルギーや猫の消化に悪いのでは、と気になる点もあります。
しかし、タンパク質を控えた方が腎臓に負担がかからないともいわれているため、猫に合うかどうかで判断しましょう。

予防食でおすすめのキャットフード

一般的なドライフードの中でも、予防食として利用できるのが
「カナガン キャットフード」です。

カナガンキャットフードのパッケージ

特徴
【対策できる尿路結石】ストルバイト結石形成
【調整の内容】ビタミンC豊富なクランベリー配合、グレインフリー、バランスの良い栄養配分
【成分(100%中】粗タンパク質37.00、脂質20.00、粗繊維1.50、粗灰分8.50、水分7.00、リン1.40、マグネシウム0.09、ナトリウム0.80、カルシウム1.58、カリウム0.70(一部抜粋)

クランベリーを配合しているためストルバイト結石になりやすいアルカリ尿を酸性に傾けるはたらきが期待できます。

また、グレインフリーでアレルギーを抑える効果があるため、健康維持に役立ってくれるでしょう。
ナトリウムがロイヤルカナンやヒルズの療法食・維持食よりも高いですが、ナトリウムが適度に含まれていると水分を積極的に飲むようになるという効果があります。

食べないときの対処法

カナガンのような総合栄養食として使えるキャットフードは高タンパク質ですし猫の食いつきも良いですが、尿ケアのための療法食や維持食は猫があまり食べないという声もあります。

治療中は療法食しか与えることができないので、同じく療法食のウェットフードを併用して与えましょう。
ただし、ウェットフードはドライフードよりも値段が高く、たくさん与えなければなりません。
そのためドライフードの味付けを目的に使うと良いです。

予防食や維持食の場合はいつも食べているキャットフードと混ぜながら、徐々に切り替えていきます。

尿路結石ができる原因と尿ケアの具体的な方法

クエスチョンマークをもつ人

ここで改めて下部尿路疾患について用語をまとめていきます。

猫の下部尿路疾患とは

尿路結石だけでなく、猫は腎臓や膀胱の病気が多い動物です。
尿路結石と膀胱炎を含む疾患のことをまとめてFLUTDといいます。

膀胱炎の中でも細菌性膀胱炎と特発性膀胱炎があります。
この内特発性膀胱炎は下部尿路疾患の実に3分の2を占めるといわれているのです。
重い症状では膀胱腫瘍があります。

尿路結石にはストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石があります。
ストルバイト結石は尿がアルカリ性になることで、シュウ酸カルシウム結石は尿が酸性に傾き続けることで形成されやすくなります。
それぞれ形成されるまでの経緯が違うため、詳細を確認して対処しましょう。

猫の下部尿路疾患の症状と考えられる原因

重大な症状を引き起こしてしまうこともあるため、以下のような症状が出たら獣医師への相談も検討しましょう。
原因も把握しておいて、きちんと尿ケアしていきたいものです。

下部尿路疾患の症状
尿道詮子ができ尿がでなくなる
頻尿
いつものところ以外で排尿する
排尿時に痛みがあるため鳴く
血尿

引用元:猫の特発性膀胱炎のアウトライン | 猫専門病院の猫ブログ nekopedia ネコペディア

特発性膀胱炎と尿路結石は症状が似ています。
判断するには病院で検査してもらったほうがいいでしょう。

原因は特定されていないですが、かかりやすい猫や環境が分かっています。

年齢

基本的に1歳以上の猫に下部尿路疾患は出やすいです。

ストルバイト結石は1~6歳までの猫に多く、シュウ酸カルシウム結石だと7歳以上の猫は注意したほうが良いでしょう。

性別

オスの方が重症になりやすいですが、これはオスのもつ尿道の構造が原因です。
メスに結石が出ないわけではないですが、尿路が傷つきにくいのが特徴です。

家庭環境

特発性膀胱炎の原因は特定されていないですが、細菌性膀胱炎と違うところは環境の変化によるストレスがかかると起こりやすくなる点です。

他にはトイレが汚いもしくは嫌な思い出があるためトイレの回数が少なくなり、結果ストレスや尿量が少なくなることも原因だといわれています。

太りすぎてあまり遊ばなくなった猫も同じくストレスを溜め込みがちになってしまいます。

季節

水分を飲む量が減ると膀胱の中で結晶ができやすくなってしまいますが、冬は特に水分量が減るので注意が必要です。

猫の尿ケアに良い食事以外の対策

猫用トンネル

キャットフードによる尿ケアが治療には一番良いですが、予防のためには環境も整備してあげなければなりません。
尿ケアのための環境を良くする方法を紹介します。

トイレを嫌いにさせない

猫はこだわりが強い動物です。
体を常にグルーミングするなど、体の手入れも怠りません。
そのため綺麗好きなのですが、トイレが汚れているとそこでは排泄しなくなるのです。

しかし、毎日使うトイレを綺麗に保つのは難しいでしょう。
トイレにはいくつか種類があるため、扱いやすいものを選ぶと掃除もしやすいです。
屋根付きだと砂が飛び散らないというメリットがあり、オープン型なら部品が少ないので掃除が楽です。

ユニ・チャームペットのデオトイレ

引用元:デオトイレ|ユニ・チャーム デオトイレ

おすすめなのが二段構えのシステムトイレ。
砂が吸収できなかった尿は下の段に落ちてシートにしみこむため、気になるにおいもありません。
砂がいつもサラサラな状態なので、おしっこをする猫も不快感がないでしょう。

ストレスを軽減する

猫にとって騒音や触られすぎるのはストレスになるので、できるだけ静かな環境を作りましょう。
かといって、室内飼育だと猫を放置しすぎて運動不足にしてしまうとこれもストレスになってしまいます。

関川村の猫ちぐら

引用元:関川村猫ちぐらの会

静かな環境はちぐらや猫タワーで作ることができます。
暗くて閉鎖的な環境を作れば猫は安心し、リラックスできます。
猫タワーにもちぐらのように囲まれた箱を用意でき、登るまでの距離も良い運動になるでしょう。

「リラックスできるところに行く+登る動作が運動になる」
といったように、動作を組み合わせることでなかなか運動に乗り気でない猫にも運動をさせられます。

同じおもちゃで遊んでいると飽きることもあるので、たまに違うおもちゃを購入して工夫するのも良い方法です。

水を飲みたいと思わせる

猫は冬になると運動量が減り、水を飲む量が減ってしまう傾向にあります。
しかし、夏でもあまり水を飲まないなら水を飲むこと自体が嫌いな可能性があります。
水分不足は尿ケアの大敵なので、水替えをして水飲み場は清潔に保ちましょう。水飲み場にもう一工夫加えるグッズもあります。

猫用ファウンテン

引用元:#3075 The Swan Fountain-Premium Plastic- 80oz - Pioneer Pet

猫の中には溜められた水よりも流れる水が好きな猫もいます。
そんな猫のためにファウンテンといって水を常に循環させて湧き水のような環境を作れるグッズがあるのです。

 

キャットフードに尿ケアに良い成分が入っていても、水を飲まなかったりストレスを感じていたりすると対策のしようがありません。
このようなグッズも活用して尿ケアを万全に行ないましょう。

下部尿路疾患にかかる前にキャットフードで尿ケアするのが理想的

寝転んで片足を上げている猫

下部尿路疾患の一つである、ストルバイト結石の治療にはキャットフードが使えるので手術をしなくても尿ケアができるので安心です。
しかし、シュウ酸カルシウム結石はできてしまうと結局手術でしか治療することができません。
膀胱炎も原因がよく分かっていないのが現状です。

そのため、できるだけキャットフードで尿ケアをすることが大切なのです。
もし尿路結石にかかってしまって治療するのであれば、与えるキャットフードがどんな尿路結石に対応できるのか、栄養バランスの調整方法を確認して与えるようにしましょう。
普段から栄養バランスの良いキャットフードを与えていれば、下部尿路疾患以外の病気も防げるようになります。

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