猫が毎日食べるキャットフードは基本的にドライフードです。

しかし、ドライフードはいろんな食材が砕かれて混ぜられ、固められているので一体なんの原料が使われているのか分かりづらいです。

本当に必要な栄養が入ってるの?
猫にとって危険な原材料が入っている可能性は?
と心配になってしまいますよね。

それを解決するためには成分表示をチェックし、安全性を比較することが大事です。

成分表示には原材料を全て記載することが決められていますし、
それを比較する方法を知れば猫ちゃんにとって一番良いキャットフードを見つけられるようになりますよ。

キャットフードを構成する要素を調査

シャーロックホームズの影

猫にとって栄養バランスの良い食事を与えるためには、総合栄養食のドライフードを選ぶのが一番です。
では、総合栄養食のドライフードの基本構成はどうなっているのでしょうか。

猫に必要な栄養がキャットフードの成分に入っている

日本ではキャットフードに含まれるべき成分が決められています。
その基準となっているのがAAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準です。

総合栄養食と水さえ与えれば猫に栄養を十分に与えることができます。
総合栄養食という認定はペットフード公正取引協議会から与えられますが、全てのキャットフードがこの認定を受けているわけではありません。

認定を受けていないキャットフードでも、十分に栄養が満たされていることもあります。
そのため、総合栄養食として与えることができるかどうかは、必ず成分表示を見て確認しましょう。

子猫と成猫では理想的な栄養バランスが異なるので、この点も注意です。

AAFCOが定めた以下の栄養バランスがクリアできていれば、安心して与えられるドライフードだといえるでしょう。
含有量の多い養分を順にしてみたので確認してください。

 

単位:乾物100g中

養分 成長・繁殖期 維持期
タンパク質 30.0g 26.0g
脂肪 9.0g 9.0g
カルシウム カルシウム 1.0g 0.6g
リン 0.8g 0.5g
カリウム 0.6g 同左
ナトリウム 0.2g 同左
塩素 0.3g 同左
マグネシウム 0.08g 同左
8.0mg 同左
1.5mg 0.5mg
マンガン 0.75mg 同左
亜鉛 7.5mg 同左
ヨウ素 35μg 同左
セレン 10μg 同左

ビタミン

その他

ビタミンA 900IU 500IU
ビタミンD 75IU 50IU
ビタミンE 30IU 同左
ビタミンB1  0.5mg 同左
ビタミンB2 0.4mg 同左
パントテン酸 0.5mg 同左
ナイアシン 6.0mg 同左
ビタミンB6 0.4mg 同左
葉酸 80μg 同左
ビタミンB12 2.0μg 同左
ビオチン 7.0μg 同左
ビタミンK 10.0μg 同左
コリン 240mg 同左
タウリン 0.10g 同左

引用元:FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)による栄養ガイドライン

炭水化物も含まれている

AAFCOの基準には、人間に必要なエネルギーの一つである炭水化物が含まれていません。
しかし、ドライのキャットフードには成形しやすくするためや、食物繊維を配合させるためによく使われているのです。

猫は肉食なので、人間とは代謝の仕組みが違います。
その中でも炭水化物に含まれている糖質は猫の消化しにくい成分だという説もあります。
しかし、まったく消化できないわけではありませんし、食物繊維はむしろ猫の整腸作用にも役立ちます。
そのため炭水化物は入っていても問題ありませんが、量はあまり多くない方が良いでしょう。

キャットフードに使われる炭水化物は以下の通りです。

分類 原材料
穀類 トウモロコシ、小麦、大麦、玄米、エン麦 など
でんぷん類 コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカ、サツマイモ、コンニャク など
糟糠類 米ぬか、小麦ふすま、小麦胚芽、大麦ぬか など
糖類 砂糖、ぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、異性化糖、オリゴ糖類、水あめ、糖蜜 等

炭水化物の量は表示されないことも多いですが、計算する方法があります。
上記に表示したビタミンを除く全ての成分を足して100から引けば炭水化物の量となるのです。

キャットフードに含まれる炭水化物の計算式
100-(水分+タンパク質+脂質+灰分)

灰分とはミネラル分のことです。
炭水化物は1日で30~40%以内になれば良いとされています。

参考:猫の栄養学講座 炭水化物 [猫] All About

キャットフードの成分の中でも重要!タンパク質が摂れる肉(ミール)を比較

キャットフードに含まれる養分では、タンパク質の量が一番多いです。
タンパク質は肉から摂るのが一番効率的なため、キャットフードには多くの肉が使われています。
生肉のまま使われているのもあれば、骨や内臓を一緒に混ぜたミールも使われているのです。

使われている肉の種類を知れば、手作りのキャットフードも作りやすくなるため知っておいて損はありません。

飼鳥類

白い鶏

キャットフードに使われている肉(ミール)の中でも、チキンが一番使われている飼鳥類です。

その他にも、七面鳥も使われていますが、同じ鳥といってもタンパク質と脂質の量が違います。

鳥の種類 肉の特徴

(チキン)
  • 高タンパク
  • 流通量が多いので加工しやすい
  • リンやセレンなどの免疫力を維持する栄養素が豊富
  • アレルギー発症の報告例が多い
七面鳥
(ターキー)
  • 脂肪分が少ないため低カロリー
  • 高タンパク
  • 鉄や亜鉛やセレンなどのミネラル分が豊富
  • アレルギー発症の報告例が少ない

(ダック)
  • 高タンパク
  • ビタミンB1・B2 ・コラーゲンが豊富
  • アレルギー発症の報告例が少ない
  • 脂肪が多い

アレルギーが発症しやすい、しにくいといった特徴がありますが、これはタンパク質源となる肉全体にいえることです。
多く触れる機会のある食材は同時にアレルゲンになりやすいため、よくキャットフードに使われているチキンにはアレルギーの報告例が多いのも当然といえます。

鴨肉は脂肪が多いので食いつきが良いですが、あまり多く与えすぎると肥満の原因になるので気を付けましょう。

飼鳥類は食中毒を起こさないためにも調理に気を付ける必要があり、他の肉よりも高温の80度以上で加熱しなければなりません。

3頭の牛

牛肉も手軽に手に入れられる食材でよくキャットフードに使われています。
鶏肉よりは価格は高めです。
内臓も栄養分が多いため、ミールの原料として含まれることがあります。

必須脂肪酸やビタミンB群といった成分を多く含み、猫の毛並みを美しくするのに役立ちます。
脂質が多いため、太りすぎを予防するため与えすぎないようにしましょう。

また、鳥と同じく調理方法は80度以上の熱を加えることが大切です。

豚

トキソプラズマを死滅させるためにも、加熱する際には60度以上の熱を中まで加えましょう

ビタミンB群を多く含み、疲労回復に役立つといわれています。

豚肉は加工肉の種類が大変多いですが、ベーコンやハムには塩や化合物が多く含まれています
原材料には生肉を使っている方が望ましいです。

タラのスモーク

豚や牛などの動物よりもタンパク質量はあまり多くありません
しかし、低カロリーで、オメガ3やオメガ6脂肪酸を多く含み毛並みの維持にも効果的です。

サケ(サーモン)が最も多く手に入る食材ですが、他にもタラやカレイなどの白身魚も利用されます。

サケやマグロだと水銀の含有量が心配という飼い主さんもいます。

魚介類

ホタテの殻

貝や甲殻類は、あまりキャットフードで使われることがない食材です。

他の食材よりも、猫が消化できない菌類を多く含むため、もし手作りで調理する際にはしっかり熱を通しましょう

仔羊・仔牛

草を食べている仔羊

仔牛(ヴィール)はあまり手に入らない食材ですが、羊(ラム)は海外産のキャットフードで見かけることがあります。

人間用の食材としても貴重なので、価格が高めです。
もし与えるとしたら中まで60度の温度で熱しましょう

キャットフードの注意したい成分と安全な成分を比較!

注意のサイン

タンパク質以外にもキャットフードの成分をチェックするポイントはあります。

中には猫の体に悪影響を与えると指摘されている成分も含まれていることがあり、安全な食事を与えたい飼い主さんからすると気になるところです。

キャットフードの安全基準が日本でも設けられているので、危険を指摘されている食材でもすぐに体調を悪くするということはありません。
しかしなるべく安全なキャットフードを提供したいというニーズに応えて、代わりに安全な食材を使っているキャットフードメーカーもあるのです。

危険性がある食材と、安全な食材を比較してみましょう。

炭水化物

危険性が指摘されている食材
小麦、トウモロコシ、大豆
以上の食材は猫の消化に悪く、アレルギーの報告例が多い食材です。どれもイネ科に分類するものとマメ科に分類されるものがありますが、国によって大豆やエンドウを穀物としないこともあります。
安全な食材
サツマイモ、ジャガイモ、米
一般的な食材にあまり使われず、穀類でもないため、アレルゲンとなりにくいです。
サツマイモは食物繊維を多く含み、整腸作用があります。
また、米も穀物の一種ですが、アレルギー用療法食として使われることもあるため一概に危険ともいえません。

酸化防止剤

危険性が指摘されている成分
BHT、BHA、エキシトシン
上に挙げた3つの添加物は強い効果をもつ酸化防止剤ですが、発がん性が指摘されています。
キャットフードにも基準値を超えない程度の量が使われていますが、なるべく避けたい物質としてペットを飼っている人の間でも注意されている成分の一つです。
安全な成分
ミックストコフェロール、ローズマリーエキス
酸化防止剤がなければすぐに食べ物は腐ってしまいます。特に加工が必要で長期間保存する可能性のあるドライフードには酸化防止剤は必要です。
BHAやBHTに代わる酸化防止剤として注目されているのがビタミンEで作られたミックストコフェロールや天然素材由来のローズマリーエキスです。

合成着色料

危険性が指摘されている食材
赤、青、黄といった合成着色料
ドライフードの色を変えるために使われる人工の合成着色料は、がんやアレルギーを引き起こすと指摘されています。
他の栄養添加物とは違って着色は猫にとって意味がありません。猫の網膜は人間とは異なり、そのためほとんど色の違いを認識できないからです。
安全な成分
着色料なし
天然の着色料にはカラメル色素や酸化鉄などがありますが、味が変わってしまうこともあります。
色はほとんど猫の食いつきや栄養には関係ないため、着色しなくても問題ありません。

肉(ミール)

危険性が指摘されている食材
4Dミール、副産物
副産物やミールとは骨や清潔な皮や胃以外内臓をレンダリングしたものですが、これを危険とみなすかは飼い主の判断に委ねられます。
4Dミールといわれる、死んだ動物や病気の動物の肉が使われてるペットフードは、食べた動物にも危険が及ぶ可能性が高いので選ばないようにしましょう。
安全な食材
成分表示で「肉」と書かれているもの、タンパク質量の多いミール
ミールと書かれているものに4Dミールが使われているわけではありません。しかし、「生肉」や原材料を詳しく表示している場合はより安全といえます。
加えて、タンパク質量が26%以上のものなら質が良いといえます。

整腸作用のある成分

危険性が指摘されている食材
ビートパルプ
微生物が消化しやすく、腸内を綺麗にする特徴のあるビートパルプですが、砂糖大根の搾りかすなので糖質が残っていると猫が糖分を摂り過ぎてしまうことがあります。
安全な食材
フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖
消化されにくいオリゴ糖で、腸内細菌によって発酵し善玉菌を増やすため整腸作用があります。
フラクトオリゴ糖は糞便の臭いが軽減させ水分を増やし、便秘を抑え毛の排出もスムーズにしてくれます。
マンナンオリゴ糖は軟便を防いでくれます。

カナガンとロイヤルカナンで比較してみよう

キャットフードは様々な種類がありますが、特に人気の高い2つのキャットフードで成分を比較してみましょう。

人気のキャットフード2種類で比較!

ここで比較するのはロイヤルカナンとカナガンです。

ロイヤルカナンプロテインエクシジェントのパッケージ

引用元:食事にこだわりがある成猫用 プロテイン エクシジェント

ロイヤルカナンは子猫からシニアまで、幅広い年齢に応じたキャットフードが一つ一つ作られているのが人気の理由です。
療法食も豊富なため、どんな条件の猫でも合ったキャットフードが見つかるため人気のあるキャットフードメーカーといえるでしょう。
ロイヤルカナンの食材にはターキーとチキンが使われており、アレルギーを極力抑える努力が行なわれています。

カナガンキャットフードのパッケージ

引用元:カナガン|イギリス直輸入!グレインフリープレミアムキャットフード通販

一方、カナガンはグレインフリーなのが人気の理由です。
国産ではグレインフリーのキャットフードはないため、海外産のフードを購入する必要がありますが、日本のメーカーが輸入販売を行なっているため購入しやすいです。
また、人工の酸化防止剤や着色料を使っていない安全なキャットフードとしても有名です。

以上の2つのキャットフードがもつ条件を、表にして比較してみました。

カナガンは全年齢タイプで一種類しかないので、ロイヤルカナンの比較対象は成猫期のプロテインエクシジェント(高タンパクの栄養バランスにこだわり猫専用フード成猫用)で比較します。

カナガン 比較項目 ロイヤルカナン
プロテインエクシジェント
37.00% タンパク質量 39.0%以上
サツマイモ
ジャガイモ
リンゴ
ニンジン
炭水化物 トウモロコシ
小麦
コーングルテン
約28% 炭水化物量 約32%
ミックストコフェロール 酸化防止剤
BHA
没食子酸プロピル
なし 合成着色料 なし
乾燥チキン
骨抜きチキン
肉(ミール)
七面鳥
マンナンオリゴ糖
フラクトオリゴ糖
整腸作用 ビートパルプ
植物性繊維

カナガンもロイヤルカナンも、合成着色料を使っていません。
しかしロイヤルカナンは気になる酸化防止剤であるBHAを使用しており、ビートパルプも含んでいます。
グレインフリーで危険性を指摘されている食材を含んでいないため、安全性が高いのはカナガンの方だといえます。

猫に合ったキャットフードを選ぶ

安全性という観点からいうとカナガンの方に軍配が上がりますが、例えば尿路結石であればロイヤルカナンやヒルズの療法食を与えることになります。
このように、どんなキャットフードを与えるのかは猫の性格や病歴にもよるのです。

猫に合う食事を選ぶためには、必ず成分表示はチェックしましょう。
そうすれば、例えばチキンでアレルギーが出ている猫ちゃんに、七面鳥や他の種類の肉が入っているキャットフードを与えるという判断ができるのです。

餌を切り替えると判断しても、急に餌を変えてはいけません。
少しずつ餌を混ぜるなどして切り替え、アレルギーが出ないかも注意しましょう。

キャットフードの成分比較は合ったフードを選ぶための基本

寝転がっている猫

適切な栄養を摂るために、キャットフードには実にいろんな成分が配合されていることが分かりました。
食材一つとっても成分の構成は異なり、猫によって反応も異なるため、細かく調べる必要があります。

一つ一つ調べることで、「このフードを前食べなかったのはこの原材料が嫌いなのかな」「うちの子はもしかしたらこの食材にアレルギーがあるかもしれない」という判断に繋がるのです。

成分をチェックしてキャットフードのメーカーでも比較することで、猫に合った安全な食事が見つけられるでしょう。

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