猫ちゃんが水を飲む様子が全然ない…
無理に飲ませようとしても嫌がる…
ちゃんと水分補給が足りているのか心配になりますよね。
フードからうまく水分をとることで、猫ちゃんが満足しながら、病気のリスクも防ぐことができますよ。
そこで今回は、猫に必要な1日あたりの水分補給量とともに、水を飲みやすくする方法を4つ紹介します。
この記事を読み終えた時には、猫ちゃんが自ら水を飲んでくれるようになりますよ!
Contents
あなたの猫は足りている?目安の水分補給量
猫に必要な水分量を見ていく前に、そもそも猫はなぜ水をあまり飲まないのでしょうか。
水分をとらない性質は、猫本来の姿でもあるのです。
猫の祖先は少ない水で適応してた

猫の祖先であるリビアヤマネコは、昼と夜の寒暖差が20℃以上もある砂漠や森林で生活していました。
そのため、少ない水の量で生きられるよう体が適応し、喉の渇きに鈍感になってしまったといわれています。
しかし、いくら少ない水分摂取で済む、喉の渇きに鈍感といっても、成猫は60~70%が水分で占められているため、十分な水分補給は欠かせません。
猫が喉の渇きに鈍感な分、飼い主さんが工夫して、積極的に水を飲んでもらう必要があるのです。
1日あたりの水分補給量
猫が24時間で必要とする水分量は、一般的に1kgあたり50~70mlと言われています。
成猫の必要となる1日の水分補給量は、次のようになります。
猫の体重 | 1日の水分補給量 |
3kg | 190ml |
4kg | 240ml |
5kg | 280ml |
6kg | 320ml |
7kg | 360ml |
ドライフードの水分含有量はおおよそ10%です。
例えば、体重4kgの猫が毎日90gのフードを食べるとすると、ドライフードから得られる水分は90×0.1=9mlになります。
ドライフードからは9mlしか水分補給できないため、1日に必要な水分補給量を引いた、残りの231mlは飲み水から摂取することになります。
どれくらい水を飲んでいるか知るには

飼い猫がどれくらい水を飲んだかを知るには、計量カップで水を測り、1日の終わりに容器に残った水を計量してください。
ただし、飲み水は蒸発することも頭に入れておきましょう。
蒸発の分は湿度や水飲み容器によって異なりますが、より正確に測りたい場合は、飲み水用の容器と蒸発用の容器を用意し、同じ量の水を入れて調べる方法があります。
1日経ったら蒸発用に残っている水を割り出し、もう一方の飲み水用の容器から蒸発分を引くと、正確な飼い猫が1日に飲んだ量が分かります。
計量カップで測るのが難しいときは、どのくらい水を飲んだか一目で分かる目盛り付きウォーターボウルがオススメです。
猫は水を飲む量の少なさから、尿が濃くなり、濃い尿を出すために腎臓や膀胱に負担がかかり、病気になるリスクも高まっているのです。
では、水を飲まなくなると、具体的にどのような病気になってしまうのでしょうか。
水を飲まなくなったら要注意!猫の病気リスク
猫は水を十分に飲まないと、脱水症、下部尿路疾患、腎不全になる危険性があります。
脱水症
脱水症は夏場だけでなく、こたつで過ごすことが増える冬にも注意が必要です。
- ぐったりと元気がない
- 水を飲む回数がやたらと多い
- おしっこの回数が増える
- 嘔吐を繰り返している
このような症状がないけれど脱水が心配という人は、猫の首~鎖骨あたりの皮膚を軽くつまんでみてください。
通常つまんだ後1秒足らずで元に戻りますが、脱水状態の場合には形がすぐに戻りません。
もし「脱水ぎみかな?」と感じたら、水分補給用のゼリーで水もミネラルも同時に補いましょう。
下部尿路疾患
下部尿路疾患は、尿結晶や結石ができる「尿石症」と、膀胱の粘膜に炎症が出る「尿石症」の2つがあります。
- おしっこが出るときに鳴く・痛そうな様子をしている
- おしっこに血が混じる
- トイレへ行く頻度が多いのにおしっこが出ない・出にくい
- トイレ以外の場所で粗相する
下部尿路疾患の中でも危険なのが、尿に尿石症で結石ができている場合です。
尿石症は尿道が細いオス猫に多い病気で、数日で命を落とすことがあります。
上記のような下部尿路疾患のサインが見られたら、ただちに病院へ受診しましょう。
慢性腎不全
腎不全は、腎臓の機能の75%が失われた際に初めて症状があらわれます。腎不全のサインが出たら、症状がかなり進行しているということです。
- 水を飲む回数がやたらと多い
- おしっこの量が増える
- ご飯を食べない・食べる量や回数が減る
- 嘔吐を繰り返している
- 下痢をしている
- 体重が減少している
- 痙攣をおこしている
1度失われた腎臓の機能が元に戻ることはありません。ただし病気の進行を遅らせたり和らげることはできるので、早期発見が重要です。
愛猫に水分補給をしてもらう方法
猫は元々水に興味がなかったり、些細なことが気に入らないと水を飲まなかったりします。
愛猫に自分から水分補給してもらうための、4つの方法を紹介します。
新鮮で常温の水にする

猫は新鮮で常温の水を好みます。水の交換頻度はハッキリと決まっていませんが、長い時間放置されていると飲みたがらない猫も多いので、水は毎日換えましょう。
猫ちゃんにあげる水は水道水でOK。人間用のミネラルウォーターだと尿路結石などの原因となってしまうのであげるのは避けましょう。
もし、家を留守にすることが多いなら、ペット用の自動給水機も便利ですよ。猫ちゃんがいつでも新鮮な水を飲める環境にしてあげましょう。
また、カルキ臭が苦手なデリケートな猫ちゃんや極端に寒い日には、人肌温度に温めるのもいいですね。
猫に必要な飲み物はあくまでもお水がベース。どうしてもあげるときは、猫用のミルクや電解質サポート製品を選んでくださいね。
水飲み容器を変える

飲むときにヒゲがあたるのがストレスになっていることもあるので、
口が広い容器を使いましょう。
さらに、猫は容器の材質にも好みがあります。
猫ちゃんが気に入る容器にするために、材質と形を変えてみましょう。
水飲み容器の材質
水飲み容器の材質には、
陶器製、ステンレス製、プラスチック製の3種類あります。
- 陶器製
fa-thumbs-o-up重みがあるため安定感がありズレにくい。
fa-thumbs-o-up水垢などの汚れがつきづらく落としやすい。 - ステンレス製
fa-thumbs-o-up丈夫で使いやすい。
fa-thumbs-o-down陶器製に比べて軽く安定感に欠けるので工夫が必要。 - プラスチック製
fa-thumbs-o-upリーズナブルで手に入りやすい。
fa-thumbs-o-down軽く安定感に欠けるので工夫が必要。
ステンレス製やプラスチック製を使うときは、容器の下にマットや台を敷くと安定して猫ちゃんがお水を飲みやすくなりますよ。
水飲み容器の形
水飲み容器の形には、
皿型、ノズル型、タンク型の3種類あります。
それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
- 皿型
fa-thumbs-o-upリーズナブルで手に入りやすい。
fa-thumbs-o-up種類が豊富。
fa-thumbs-o-down猫の毛やホコリが入りやすい。 - ノズル型
fa-thumbs-o-up密封状態で清潔な水を保てる。
fa-thumbs-o-upコンパクトでケージなどに引っかけることができる。
fa-thumbs-o-down興味を示してくれない猫ちゃんもいる。 - タンク型
fa-thumbs-o-up受け皿に常に満水をキープできる。
fa-thumbs-o-down猫の毛やほこりが入りやすい。 - 循環型
fa-thumbs-o-up溜めている水が巡回するため、常に清潔な水を保てる。
fa-thumbs-o-up動いている水を好み猫がよく飲んでくれる。
fa-thumbs-o-down本体、フィルターに値段がかかる。
猫はキレイ好きなので、どんな容器を使うにしても、常に清潔にするようにしましょう。
ただこまめにお水をかえるだけでなく、きちんと水飲み容器も洗ってあげてくださいね。
飼い主さんが口元に近づけてあげることで楽に水を飲ませられます。
ただし、一気に口に含ませると誤って気管に入ってしまうことがあります。飼い猫のペースに合わせて、少量ずつ含ませるよう意識しましょう。
水飲み容器の数を増やす

猫は水を飲む場所を1箇所と決めていません。水飲み容器を複数の場所に置くことで、容器を見たり触れたりする機会を増やし水を飲んでもらいましょう。
ただし、猫はニオイに敏感なので、トイレの近くはNG。
猫がよく立ち寄る場所やよく通る場所に積極的に置き、“ついで”感覚で水が飲めるようにしてくださいね。
ウェットフードを与える

ウェットフードは水分含有量が75%で、香りも強いため猫が食いつきやすく自然に水分を補うことができます。
ウェットフードのはフレークタイプ、パテタイプ、セミウェットタイプ、スープタイプの4種類に分けられます。
フレークタイプ
ほとんどのフレークタイプは缶詰に入っていて、ツナ缶のツナのような形をしています。
原材料は魚介類が多く、食感がしっかりしているので食べごたえがあります。
素材の香りや味も強いので猫も好んで食べますが、総合栄養食ではないものがほとんどなので、ドライフードに加えたりおやつとして与えたりするのがオススメです。
パテタイプ
魚や肉の食感が柔らかく、ペースト状やムース状のためドライフードに混ぜやすいのが特徴。
猫ちゃんの食欲がないとき、子猫の離乳食やシニア猫の食事にも最適です。総合栄養食のものが多いのも嬉しい。
セミウェットタイプ
パテタイプより粘り気が強く、プルンとしています。
水分含有量が90%で香りも良いので、猫ちゃんが水分補給をしながら満足してくれます。
セミウェットタイプで代表的なのがいなばのチャオちゅーるですね。
ただし、濃い味に慣れてしまうと無添加などの他のフードに戻れなくなってしまうので、与えすぎには注意が必要です。
おやつやご褒美としてあげるようにしましょう。
スープ・シチュータイプ
ウェットフードの中で最も水分含有量が高く、とろみがあります。
レトルトパウチが多いので、開けやすく捨てるのも楽チン。
総合栄養食、一般職どちらの種類もあるので、水分補給に最も適しています。
スープ・シチュータイプでオススメなのがカナガンのチキン&サーモン。

高タンパクでグレインフリー(穀物不使用)なので、太り気味の猫や消化器官が弱い子猫にオススメです。
猫が喜ぶ水分補給でいつまでも元気いっぱい!
猫に必要な水分量や水分を補給してもらう方法を紹介しましたが、いかがでしたか?
今回の記事のポイントをまとめてみました。
- 猫は渇きを感じにくい動物。水分が足りないと病気のリスクも高くなるため、工夫して水分補給させることが大切。
- 猫が自分から水分補給するためには、
①新鮮で常温の水にする
②猫好みの水飲み容器に変える
③水飲み容器の数を増やす
④水分量の多いウェットフードを与える
という工夫をする。特にウェットフードは、猫の食いつきも良いため自然に水分が補える。
また、猫の喉の渇きを促すために、こまめに運動をさせることも大切です。
特に室内飼いの猫は運動不足になりがちなので、飼い主さんが積極的に遊んであげてくださいね!
水分補給の方法は、猫ちゃんによって合う・合わないがあるので、まずはできることから試してみましょう。
愛猫にしっかりと水分補給してもらって、いつまでも元気いっぱいな体をつくりましょう。
